こんばんは
つい先日2010年が明けたと思っていたのに、既に今日は16日・・・。
もう半月も経ってしまったのですね。
月日の経つのが本当に早くて、困ってしまいます
今日は、我々の年末年始をお伝えしようと思います。
私たち旅館業はサービス業ですので、もちろん人様の休みの日(カレンダーの赤や青の日)は働きどきです。
お客様がお休みを使って「石苔亭いしだへ行って、ゆっくりしよう」と思って下さることへ感謝し、日々仕事をしています。
年末年始はその代表のようなものです。
1年の疲れをとろうと当館を選んで下さるお客様。新年を当館で迎えることを恒例にして下さっているお客様。
そんな温かな、家族のようなお客様に囲まれて、私たちの年末年始は過ぎていきます。
日ごろ気になっているけどなかなかできないところの大掃除も楽しいものです。もちろん当館の顔である能舞台も、長い脚立に乗って埃を払い、周りに敷き詰めてある玉砂利を雑巾でふきながら、埃を掃除機で吸い取りました。
お正月の飾り付けも、若女将や村上志津江さんに教えてもらいながら進めました。鏡餅も毎年手作りです。本物の松で能舞台脇や大広間の舞台を飾りました。
ありがたいことに、ご宿泊のお客様の他に忘年会で当館を利用して下さるお客様もいて、和さん(仲居さん)だけではスタッフが足りず、日ごろフロントにいる私も久しぶりに着物を着て、お客様にお食事を出させていただいた日もありました。
そんな日は夕食のお皿の数も半端ではありません。食事が進み、和さんが下ろしてくるお料理のお皿が、洗い場にどんどんたまってきます。最初の段階の洗い物も重要です。若女将や志津江さんが着物を脱いで手伝ってくれました。布団敷きが終わったチーム(ご宿泊が多いときは、2チームに分かれて布団を敷いていくのです)から順にお皿洗いへ合流します。オーナーも「以前は毎日洗っていたからな~」と言いながら、洗い方を若者へ伝授してくれました。
大晦日は、早めの夕食を済ませて紅白歌合戦を見ているであろうお客様のお部屋へ、年越し蕎麦を運びました。
みんなで力を合わせて仕事を済ませ、2009年最後の夜のミーティングをしました。お客様の情報や声を担当の和さんが発表していきます。これは大晦日でも変わりません。いしだのいつもの光景です。そのあと、板長や管理部長のお言葉があり、最後に若女将の1年の締めくくりの挨拶がありました。2009年に感謝し、あと数時間後に迫った新年も感謝の気持ちで迎えられるよう、みんなが心に誓いました。
スタッフが急いで着替えてひとりひとり帰っていきます。「よいお年を~!」「あと8時間後に会いましょう!」 身体は疲れていても、そこは1年に1度の大晦日。各々2年参りに行ったんだそうです。若さは素敵です。
当館の近くにある「阿智神社」でも2年参りでおしるこや獅子舞が出ていました。(詳しくは、元日の麦島くんのブログをご覧ください)当館からは2組のお客様が行きたいとおっしゃって下さいました。外は吹雪。それはそれは寒そうでした。巡回バスが出てはいたのですが、待ち時間など大変だろうということで、当館で車を出すことにしました。吹雪の中、「いってきま~す」と言って背中を丸めて出て行くお客様。
数十分後、お客様が戻られました。今年初の「お帰りなさいませ」です。「こじんまりしていて、いい神社でしたよ。」「獅子も出ていたし、楽しかったです。」そう言っていただけてとても嬉しかったです。
2010年。雪の中で新年を迎えました。
1月1日朝7時。全員朝礼でスタートしました。
1日のスケジュール、各部署の今年の目標、若女将の言葉。数時間前に見ていた顔も、新年を迎え、新たに頑張ろうという気合に満ちているように見えました。
雅楽のBGMが流れるロビーをお客様が歩いて見えます。「明けましておめでとうございます。本年もよい年でありますように。」
ご朝食。写真撮影。元旦祭。お餅つき。お昼を召しあがってゆっくりされるお客様もいらっしゃいます。
おひとりおひとりの今年1年のご多幸をお祈りして、お見送りさせていただきました。
チェックアウトと同時刻、裏ではお風呂掃除やお部屋の準備に奔走しているスタッフもいました。自分の任された持ち場で一生懸命力を尽くします。人手が足りなければ、どこへでもヘルプに走りました。
元日のチェックインは予想外に早く、怒涛の如くという言葉がぴったりでした。皆様、寒いので少しでも早くいしだに着いてゆっくりしようと思って下さったのでしょうか。ありがたいと思う反面、少しお待たせしてしまったお客様もいて申し訳なく反省もした元日でした。
スタッフもお客様の動きの合間を縫って休憩です。「15分行ってきて」「ご飯だけ食べてきて」「は~い」
休憩もままならない年末年始。大晦日のハッシュドビーフ、元日はお餅、2日はすり初めで山芋のとろろ、3日は疲れた身体と胃袋を気遣っておうどん。調理場や志津江さんが用意してくれます。15分だけの休憩でも、お腹を満たし、力を蓄えて現場へ戻ってこれるんです。ありがとう。感謝ですね。
1月2日、3日。今年のお正月は曜日めぐりもあってとても短かいものでしたが、そんなこんなでなんとか無事に終えることができました。
今年は例年よりとても寒かった為、施設の面では、お客様にご迷惑をかけてしまうこともあるのではと心配しておりましたが、大きなクレームもなくほっと胸をなでおろした次第です。
ただ、それに甘んじることなく、声にならぬお客様の声を感じ取り、日々努力し、精進していくことを改めて誓ったお正月でもありました。
お客様の笑顔に出会う為、今年一年頑張っていきます。
こんな私たちに会いに、是非石苔亭いしだへお越しください。
心よりお待ちしております。
結処 山田