この季節になると私は、遠い日の草花とのかかわりを思い出します。
生まれ育ったのは、山々に囲まれた小さな村です。
そんな故郷を思う時、何故か夏が思い浮かぶのです。
自然の草花と過ごした子供の頃の短い夏の日々が好きでした。
家の周囲にはいろんな花が植えられ、きれいに咲き乱れていました。
そして野山には、季節の花が沢山咲いていたことを覚えています。
夏休みが始まり、お盆が近づくと、待ちかねたように、どこの家でも盆花を取りに行きます。
私も祖母に連れられて、朝早く出かけたものでした。40代後半の元気な祖母について行くには幼い私、大変だったと云う記憶があります。
モンペのすそを朝露でぬらし、一生懸命歩いたものでした。
野山には、おみなえし、ききょう、河原なでしこ等、求める花は沢山ありました。
数少ない、ささゆりを見つけた時は、その美しさにドキドキし、花を折る手を止めるほどでした。
祖母は花の名前や盆花のいわれなど、楽しそうに話してくれたものでした。
私が、草花や木を今も好きなのは、こんな時間を過した子供の頃があったからかも知れません。
やがて二人は両手いっぱいの花々を抱きかかえ帰路につきます。
太陽が昇りはじめ、朝露がきらきら光り、そして何より、その時のむせかえるような、夏草の香りが大好きでした。
夏がめぐってくるたび、遠い日の思い出と共に、夏草の香りを懐かしがっています。
こんな思い出を語り合える最後の人、母を、この春見 送りました。
この季節、悲しみの節を又ひとつ越えなければなりません・・・・。
恋しけば 訪ねみしよと 母の声
夢のふるさと 夏草の中
しずえ
草花への想いは改めまして道沿いの草花にも足止めして見てしまいそうな気持ちになりますね。
いしださんの館内のお花の数々も都会には見かけない景色で
いつも癒されます。
何よりもしずえ様の笑顔に私は一番癒されます。
投稿情報: のぐりん | 2009年7 月29日 (水) 21:04