お正月を過ぎると、2月はお客様も少なく、時間を持て余すのが1昨年までのことでした。
ところが昨年より、当館も飯田街道、ひな祭りの仲間入りをし、今年も館内の能舞台は沢山のおひな様で活気にあふれています。
二千体の吊るしびなと、300体の段飾り。
プロの職人さんが、ひとつひとつ心を込めてつくり上げた数々の吊るしびなは、それはそれは見事です。
又段飾りは、凛として、清々しく、300体揃うと、まさに圧巻です。
雪の舞う寒い日も、世間をかけめくる、不景気の風も、この能舞台のおひな様をひと目見たら、その思いは消え去り、心暖かく、やさしくなれるのではないでしょうか。
そのやさしさを、求めるかのように、毎日、沢山のお客様にご来館いただいています。
1月21日に中日新聞の一面に記事として載せていただき、その日、多い日には、500名の方々が、次々と能舞台に上り、それぞれのおひな様と対面なさいました。
そして、喫茶も売店も、多くのお客様にご利用いただき、スタッフも、各セクションを越えての対応でいつもと異なる接客に、新鮮なよろこびを感じる日々を過しています。
拝見出来たことの感謝を精一杯伝えて帰られる方、帰宅後、すぐお礼状を送って下さる方、毎日何百人もの方々にお逢いしていると、沢山の事が学べます。心も豊かになります。
思いがけない方の来館もあります。多忙な毎日の中に成長出来る事もあります。
桜の花が春を告げる、4月4日の最終日まで石苔亭いしだのロビーは、幸せに包まれることでしょう。
しずえ